抗うつ剤はいつまで飲み続ける必要があるのでしょうか。
自己判断で抗うつ剤の服用をやめることは危険です
うつ病に使われるお薬(抗うつ剤)は、うつ病の原因である脳の神経伝達物質の異常を、より正常なはたらきに近づけるようバランスを整えるためのお薬です。
ある程度継続して服用することで、不足している神経伝達物質を補い、症状の緩和をはかります。風邪薬や痛み止めのように、服用してから数時間で効果が現れるようなお薬ではないので、「飲んでも効かない」「症状が良くなったから、もう飲まない」などの自己判断は危険です。
どのくらいでお薬をやめられる?薬剤治療の経過について
うつ病の薬物療法は、少量から開始して1~2週間、症状を見ながら増やしていきます。
効果が得られていない場合には、最大量まで増量し経過を見ますが、4~8週間経過しても効果が乏しい時には、薬剤の変更を検討します。これは、患者様によって薬剤の適不適があるためです。
はじめゆっくりと薬を増やした後、症状が良くなれば、今度はゆっくりと減らしていきます。そのため、うつ病の薬物療法は、治療に数年単位の長い時間が必要になります。見かけに症状が落ち着いてきたとしても、半年~2年位は同用量で継続的に服用することが多いです。
抗うつ剤で生じやすい副作用
抗うつ剤で多い副作用は以下の通りです。
- 眠気
- 倦怠感(だるさ)
- めまい
- 頭痛
- 便秘や下痢
- 吐き気
- 口の渇き
薬剤について医師に上手に相談するために
医師は、患者様からの訴えや症状の他に、検査データなども参考にしながら、治療の方針や計画を立てています。しかし、検査データなどはあくまでも統計なので、個々の患者さんにはあてはまらないこともしばしばです。
不安な気持ちや、今の症状、心配ごとなどがあるときには、医師にはっきりと伝え、担当医と一緒に治療をすることが大切です。
もし、「薬剤を中止したい」という気持ちがあった場合にも、自己判断をせず担当医に相談しましょう。
2020年5月26日 カテゴリー:こころのコラム
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