運動はうつ病に効くのでしょうか。
運動はうつ病に効くのでしょうか。さまざまな研究がされていますが、運動がうつに効くかどうかはまだはっきりとはしていません。
しかし、運動そのものの効果は、他の病気の治療をみても明らかですので、しないよりはした方が良いことに間違いないでしょう。
運動によるうつ病の予防効果とは
うつ病になりますと、「興味の喪失」「意欲の減退」「倦怠感」などの症状があり、体を動かすことすら辛くなる方もいらっしゃいます。
ただ、もともと運動習慣がない方が、一日中体調不良を理由に歩くことや動くことをしなくなると、筋力や体力低下が顕著に現れてしまいます。
いざ、動こうとした時に、自分のイメージ通りに動けないことで、また気分が落ち込む方もいらっしゃいますので、そうならないためにも、無理のない程度な運動は必要でしょう。
海外では、内服治療だけのグループと運動療法だけのグループの回復状況は同等程度だったという研究や、さらに運動療法を継続したグループの再発率は明らかに低かったという研究も報告されています。
運動のうつ病の改善効果について
うつ病になる原因として、神経伝達物質のひとつであるセロトニンの分泌が少ないのではないかといわれており、筋肉にあまり負担をかけない有酸素運動はセロトニンの分泌を促進させることが分かっています。
つまり、適度な運動を続けることで、セロトニンが分泌され、心の安定を図れるためうつ病の改善や予防できる可能性が示唆されています。
また、体を動かせば、必然とお腹も空きますので、食欲を促したり、筋力や体力もアップすることでより活動的になれるきっかけとなるかもしれません。
まだ未確立の運動療法
うつ病の運動療法については、まだその効果のほどは定かではありません。しかし、体力向上や食欲促進などにより、こころにも良い効果があることが期待できそうです。
また、運動を行うときには、無理に習慣化しようとしたり重たい負荷をかけたりする必要はありません。「すこし元気になったのでマンションのポストまで」「布団で起き上がって伸びをしたり、軽くストレッチしてみる」「自宅であれば無理なく動けるので、軽い筋トレでも」などなんでもよいので、ご自身の手の届く範囲で、また、少しでも興味の持てそうなもので、試してみください。
2020年3月30日 カテゴリー:こころのコラム
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